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PRESS RELEASE

平成17年7月22日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.05-V01-11)

空調機事業での商品開発力と信頼性のさらなる向上

- 技術開発設備の大幅増強 -

この度当社は、基幹事業の一つである空調機事業における技術開発力を一段と強化するため、本社内( 川崎市 )空調機試験設備を大幅に増強いたします。また、主力工場の一つである富士通将軍( 上海 )有限公司内においても、本年3月に技術棟を完成させ、中国での開発試験設備を増強いたしました。これらにより、家庭用の小型空調機( Room Air Conditioner 以下 RAC )から業務・ビル用の大型空調機( Package Air Conditioner 以下 PAC )までを取り扱う総合空調機メーカーとして、技術開発力と信頼性のさらなる向上を図り、世界市場においてより一層の事業拡大を目指してまいります。

空調機の世界需要は、RAC、PACともに年々拡大しており、2004年度で前年比6.9%増の約5,800万台に達しています。一方では電力事情や地球温暖化の問題などを背景に、空調機の省エネ化などの環境問題に対する大幅な改善要請が強まっており、メーカーには従来以上に高度な技術開発力が求められています。

当社では、世界市場に向けた空調機の開発を、日本( 川崎市、浜松市 )、中国( 上海市 )、タイ( チョンブリ県 )の4つの拠点で行っておりますが、市場の要請にいち早く応えていくため、今回総額約9億円を投じて川崎市と上海市の開発拠点の設備を増強いたします。

川崎の開発拠点では、本年9月までに21畳相当の試験ルームを備えた業界最大級の「環境試験室」やトップクラスの性能の「騒音試験室」など最新の試験設備を始め、約20の設備を更新、増設するとともに、試験室のIT化を進め、集中管理・自動化を図ります。

また、上海の開発拠点では、2,000m2の技術棟を新規建設するとともに、「カロリーメーター」増設、「EMC試験室」など最新設備の導入を図りました。これにより、海外の開発拠点においても、最先端商品の開発を行えるようにいたしました。

当社は、今後も空調機事業分野での技術開発力の強化を図ることにより、環境問題への取組みや商品開発力を強化することで、従来以上に積極的に空調機の全世界展開を行ってまいります。

写真 写真
<川崎>21畳相当の業界最大級の室内環境試験室
大きい画像( JPEG : 223KB )
<中国・上海>新設した技術棟
大きい画像( JPEG : 172KB )

 

技術開発設備の主な強化内容について

  1. 川崎開発拠点の強化(平成17年9月完了予定)
    1. 最高水準の省エネ性と快適性を追求するために、業界トップレベルの「環境試験室」や「騒音試験室」を増設
    2. より高度な解析技術の実現のために、試験室のIT化を進め評価設備を大幅に強化
    3. 開発リードタイム半減のために、試験設備の集中管理・自動化( 24時間稼動 )を図る
  2. 上海開発拠点の強化(平成17年3月完了)

    インバーター機種など高技術商品の現地開発のために、最先端設備を導入した技術棟を新設

1. 川崎開発拠点の強化(平成17年9月完了予定)

川崎開発拠点は、省エネルギー化をはじめとした環境対応技術や、より高度な快適性を実現するための技術など、今後の空調機ビジネスを牽引する先端技術の開発拠点として、研究開発設備の増強を図ります。

強化にあたり、エアコンの実使用環境を忠実に再現し、省エネ性や快適性の高度な分析を可能とする「環境試験室」や「騒音試験室」など、最新の試験設備を増設いたします。同時に、より高度な解析技術を実現させるために試験室のIT化を進め、評価設備を大幅に強化します。さらに、試験室の集中管理と自動化を図り、先端技術の開発スピードとグローバルな商品展開を加速してまいります。

  1. 最高水準の省エネ性と快適性を追求するために、業界トップレベルの「環境試験室」や「騒音試験室」を増設

    写真。環境試験制御室、カロリーメーター制御室、暗騒音12dBを実現する低騒音空調設備、騒音試験室。

    実使用状態における温度、湿度、気流の空調三要素を電力消費量とともにコンピューター解析し、より高い省エネ性と快適性を追究するための「環境試験室」を2基設置しました。そのうち一基は、リビングルームの大型化による大能力エアコンの需要拡大にも対応し、業界最大級の21畳相当の試験ルームを備えております。

    また、エアコンの運転騒音をより正確に測定し、かつ実際の家屋を想定した反響状態(音が反射する状態)での騒音解析も可能な「騒音試験室」を新設しました。特に暗騒音※1は実使用状態に合わせ、温・湿度を細かくコントロールしながら実測12dBという業界トップレベルの性能を有しています。これにより、エアコン本体から発するモーターの振動音などの微細な音も詳細に解析し、低騒音化技術、音質改善技術の一層の向上を実現します。

    さらには「大型空調機用カロリーメーター」なども増設し、RACからPACまで適応した先端技術の開発力と信頼性のさらなる強化を図ってまいります。

    ※ 1
    暗騒音:エアコン(被試験品)の運転を停止した状況で測定される音。( 暗騒音が小さいほど正確な測定が可能 )

  2. より高度な解析技術の実現のために、試験室のIT化を進め評価設備を大幅に強化

    従来強化してきた気流解析、熱解析、振動解析、磁界解析などのシミュレーション技術に加え、全ての試験データを電子化しコンピューターにより画像処理や分析処理する評価設備を大幅に強化することで、省エネ性、快適性を追究するより高度な解析技術を実現しました。

  3. 開発リードタイム半減のために、試験設備の集中管理、自動化(24時間稼動)を図る

    これまで事業所内に分散していた約20の試験設備を約3,000㎡のワンフロアに集約し、設備を効率よく活用できるように再配置しました。また試験の効率、精度を一層高める最新設備を各種導入しました。さらに、試験業務の集中管理と自動化を進め、設備の24時間稼働を可能としました。

    これらにより、技術開発のリードタイムを半減し、スピーディな商品展開を図ります。

2. 上海開発拠点の強化(平成17年3月完了)

インバーター機種など高技術商品の現地開発のために、最新設備を導入した技術棟を新設

EMC関連試験用シールドルーム写真

当社エアコンの主力工場の1つである富士通将軍(上海)有限公司内に平成17年3月、「EMC試験室」などの最新開発設備の導入や「カロリーメーター」「CAD」を増設した技術棟の建設を完了しました。

本拠点では、世界各国の技術規格に対応した試験を効率的に実施できるように、「EMC試験室」など最新の試験設備を設置し、スピーディかつ高精度の測定が可能となりました。

こうした設備の導入とともに、現地技術スタッフと本社技術スタッフの技術交流も強化し、最新のインバーター機種の開発を中国でも積極的に推し進め、迅速な商品戦略の実現を図ります。

以上のような開発戦略のもと、当社の空調機事業は川崎、上海とともに、浜松、タイを合わせた4つの拠点でグローバルに開発を行い、省エネ化などの環境問題に対応し高度な快適性を備えた競争力のある商品をスピーディに開発し、世界市場に展開してまいります。


 

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