4. 一体成型フィルターの難しさ

一体成型フィルター写真

さらにフィルターそのものについても新しいものを考える必要がありました。
これまでの網目(ホコリを取る網)と桟(網を支える枠や支え)が別体のフィルターでは、強くブラシを押し付けると、フィルターを駆動するモーターの力が負けてしまいフィルターが止まってしまう。また、ブラシを押し付ける力を弱めれば、今度はホコリをふきとることができませんでした。
そこで、樹脂だけで一体成型したフィルターに目をつけ、フィルターの開発も平行して進めていきました。

しかし、エアコン用フィルターは非常に網目が細かく、フィルターの一体成型はとても難しいものでした。何度も何度も金型メーカーに足を運ぶ必要がありました。度重なる打ち合わせにより、利用する樹脂の素材や流し込み方法を試行錯誤し、ようやく金型を試作、その後更に試作品の不具合を改善すべく金型の修正を検討、再び金型を試作という作業を繰り返しました。

また、どうにか思い通りに仕上げた金型でも、製作環境の温度や湿度の変化により樹脂の流れ方が変わってしまうようなこともわかり、朝から晩まで試作フィルターや金型とニラメッコをする日々が続きました。長いときでは金型メーカーの近隣ホテルに1週間泊まりこむ様な日々が続きました。
そして、ようやく満足のいく最終版と思えるフィルターの金型ができても、試作したフィルターがまっすぐに動かなかったり、静電気のためにホコリが十分に取れないといったことがおこりました。
これらを解決するため、網目の向きに角度をつけたり、静電気によるホコリ跳ねを抑える素材を練り込んだりするなど、再度金型の見直しをしなければならない状況もありました。

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