エアコン デザイン(nocria® SVシリーズ) 日本人のための
エアコンデザイン開発ストーリー

1.エアコンは誰のためのデザイン?

開発ストーリー

お客様が抱く「エアコンデザインへの
あきらめ」からの脱却を目指して

これまでのエアコンのデザインは、機能や性能が優先されデザインは二の次といった、インテリアの邪魔者とされるデザイン・性能を犠牲にした薄型タイプや派手なカラーリングなどの大多数のお客様が敬遠するデザインという2つに分類されます。

エアコンのデザインはこれで良いのか?という思いを、常に持ち続けていました。


2.世界のデザイントレンド発信源で暮らす

開発ストーリー

根底にある意識や嗜好性を知る

私たちは毎年、世界のデザイントレンドの発信源である欧州に多くのデザイナーを派遣します。
そして、派遣されたデザイナーはそれぞれ1人きりで現地を歩き回ります。

そこに暮らす欧州の人達と同じように、道に迷い、電車を乗り継ぎ、現地フードを食べ、生活を肌で感じることで、そこに暮らす”欧州人の意識や根底にある嗜好性の発見” につなげています。


3.海外で暮らすことで分かった日本人の美意識

開発ストーリー

日本人が持つ欧州”イメージと現実” のギャップ

欧州各地での調査を繰り返し、異文化の中で暮らすことで様々な価値観を持つ方々とディスカッションを行いました。

そこで私たちは、根底にある考え方・嗜好性・文化を理解するだけでなく、”日本発信のデザインを欧州の方がどのように見ているか” や、”欧州で求められるデザインとは何か” が分かりはじめると同時に、”日本人が強く持つ嗜好性や美意識” に気づき始めました


4.CMF(注1)を活かして質感を上げる

開発ストーリー

質感にこだわりを持つ日本人の感性に応える

私たちは”日本人の嗜好性や美意識に響くデザイン” について繰り返しディスカッションを行い、「質感にこだわりを持つ日本人の感性に応える」ために、”CMF(注1)を主体としたデザインが必要” という本開発のメインテーマを導き出しました。


5.インテリアエレメント(要素)を応用する

開発ストーリー

日本人が好むインテリアエレメントとは?

欧州発の新しい世界トレンドの中で、

  • 日本人が好みそうなインテリアは?
  • 日本で多く用いられているインテリア要素は?
  • インテリアに溶け込み過ぎず、調和を生むものは?

を探り、ソファやカーテン、クッションなどに用いられる”ファブリック(布調)” に着目しました。


6.ファブリックの応用・展開

開発ストーリー

エアコンにマッチした、
日本人好みのファブリック調を創る

ファブリック調をエアコンに応用するにあたり、欧州各地から”ナチュラルさ”と”上質感”を併せ持つ高級ファブリックを取り寄せ、

  • 日本人が好むファブリックの種類
  • 日本のインテリアに合う色
  • エアコンに合った柄の大きさ

など”エアコンデザイン” に応用するためには、”どのようなアレンジをすれば良いか? ”を探り始めました。


7.ファブリック調を活かしたスタイリング

開発ストーリー

構造の抜本的な見直しや部品構成の
提案から行う、
スタイリングへのこだわり

次に”ファブリック調が活きるスタイリング”に着手しました。

  • 1枚の布からできているような、つながりのある面構成
  • 使用シーンで圧迫感を軽減する、やさしいフォルム
  • 外観に出る線が最小化できる部品分割と、シンメトリー形状

という、3つのキースタイリングにより、ファブリックと組み合わせたプロトタイプを何台も作成しました。


8.全員が指標を共有し、開発を推進する

開発ストーリー

機能・性能・デザインの全てが満足
できるエアコンを創るために

当社では技術部がベースを作り、デザインが後工程で外観を被せるような開発は行いません。
デザイナーは顧客の潜在的な思いから”理想のカタチ”を創ることも重要ですが、デザインが性能に直結する空調機は、技術や生産方法を熟知していることも求められます。

つまり、技術や生産現場から信頼を得られたうえで、”共有指標となるプロトタイプをつくる”からこそ、開発者全員が商品実現に向けて汗をかけるのです。

これまでにない3次元 CMF(注1)
の実現をめざして

ベースとなるファブリックを決め、生産できる具体化の検討を開始しました。
加飾企業のデザイナーとのコラボレーションで知恵を出し合い、数えきれない程の数の柄パターンの試作が始まりました。

また、柄と同時に凹凸を施した立体感が必要となるため、金型加工メーカーとの協業で深さ、パターン、大きさが違う試作を何度も行いました。

最終試作の立ち合い時、当社・加飾・金型加工の3社連合のプロジェクトチームは、出来上がったサンプルの完成度に飛び上がって喜びました。

CMF(注1)の検討スタートから、既に1年半が過ぎていました。

営業部門の後押し

いよいよ、プロトタイプや試作サンプルを営業部門にプレゼンテーションする日が来ました。
正直なところ、「好き嫌いが出るようなデザインはやめてくれ」と反対されることを予想していました。

プレゼンテーションを終えた私たちは、営業部門の責任者が口を開くのを息を殺して待ちました。
そして私たちが聞いたのは意外な第一声でした。

「おもしろいね。やろう!」デザインメンバーの顔を見回すと、全員の顔が上気しているのが分かりました。

生産工場の叱咤激励

次に了承を得なければならないのは生産工場です。工場で安定して生産できないものは当然商品にはなりません。

私たちのプレゼンテーション後の工場長の言葉は「この工場はフェラーリ作ってるんじゃないんだよ。エアコンを作ってるんだぞ!」”こんなモノを1日数千台造れる訳がないだろう”という意味でした。その後も厳しい質問や指摘が続きましたが、ここまでたどり着いた絶対の自信に基づき、私たちは質問に答え続けて行きました。

帰国後に聞いた話ですが、「デザインはしっかりやっているな。これはうまく行く」と、プレゼンテーション終了後に工場長が呟いたそうです。

「敢えて厳しく接することで、しっかり見守ってくれているのだな。」ということを、身に染みて感じました。


9.賞賛の声とデザイン賞の受賞

開発ストーリー

2年半の開発を終えて発売

バイヤー様やインテリアコーディネーター様、一般のお客様から「お客様に自信を持って薦められる」などの嬉しいお言葉を沢山いただきました。

同時に、世界3大デザイン賞の1つと言われているレッドドットデザイン賞を受賞し、日本では2020年度グッドデザイン賞を受賞することでデザイン賞二冠を達成しました。
実売する日本向けエアコンの受賞は非常に難しいため、大変うれしく思ってます。

また、nocria®(ノクリア) Xシリーズ のリモコンもiFデザイン賞(注4)をいただきました。
本格AI搭載にふさわしい、新感覚のユーザビリティーとUX(注5)を採用したリモコンを評価いただき、ご購入していただくお客様も多いと聞いています。


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注1 CMF :
C:Color=色・M:Material=素材・F:Finish=仕上げの略語
注2 レッドドットデザイン賞 :
ドイツのデザイン機関「ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター」が主催する国際的なデザイン賞で、「iF デザイン賞」(ドイツ)、「IDEA デザイン賞」(アメリカ)とともに、世界三大デザイン賞の1つ。
注3 グッドデザイン賞:
公益財団法人日本デザイン振興会の主催するデザイン賞で、デザイン性の高さに加えて、ユーザーの視点に基づいた使いやすさ、開発コンセプトや機能性、新技術の採用なども含め総合的な評価で選定される賞。
注4 iFデザイン賞 :
ドイツ・ハノーバーに本拠地を置くデザイン団体「iF International Design GmbH」が主催する国際的なデザイン賞。reddotと並ぶ世界三大デザイン賞の1つ。
注5 UX(User Experience)デザイン :
ユーザーの体験価値をデザインすること。当社デザイン部では「ポジティブな感情につながるデザイン」と定義 。
「nocria」は株式会社富士通ゼネラルの世界的な商標です。「ノクリア」は株式会社富士通ゼネラルの登録商標です。
記載されている各種名称、会社名、商品名などは各社の商標もしくは登録商標です。
本ページに記載されているシステム名、製品名等には、必ずしも商標表示( ®、™ )を付記していません。
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