PRESS RELEASE

平成17年6月2日
株式会社富士通ゼネラル
(NO.05-N01-05)

デジタル無線方式タクシー配車システム「HD-710」を発売

デジタルタクシー無線機「CM-4157DG」新開発

この度当社は、デジタルタクシー無線機「CM-4157DG」及び、デジタル無線を活用したタクシー業界向けデジタル無線方式タクシー配車システム「HD-710」(CTI※1連動GPS/AVMシステム)を平成17年6月より販売いたします。

現在タクシー業界では、規制緩和により新規参入業者の増加、さらには運賃多様化・割引制度の導入など、競争が激化しております。このため、迅速、正確な配車を行うことで、利用者のリピート率を高め、さらに業務効率の向上を図ることが求められております。しかし、このような効率配車を行うにあたっては、より詳しい車両位置や顧客情報などデータ通信量の増大が基地局と移動局間の無線通信に要求されます。このため、既存のアナログ無線からデジタル無線への移行が強く求められています。

当社はこの課題に対応すべく、デジタル無線機「CM-4157DG」と、新配車システム「HD-710」を開発しました。

新配車システム「HD-710」は、400MHz帯SCPC方式※2のデジタル無線機「CM-4157DG」を採用することで、従来のアナログ方式に比べ、データ通信量を大幅に拡大しております(当社従来比約4倍)。これにより、車両位置情報や動態情報の収集精度が高まります。同時に、当社が従来から独自で運用してきた「ポーリング・任意発呼併用方式」の採用により、「ポーリング方式」、「任意発呼方式」と比較し、車両の情報がよりリアルタイムで、かつ正確に収集可能となります。

さらに、CTI※1と連動することで、配車業務を簡略化する独自の「自動ポップアップ画面」や、オペレーターの介在しない「現着自動コール機能」、配車業務に専念するための「配車卓の統制管理機能」などを実現でき、タクシー利用者へのサービス向上はもちろんのこと、配車担当者、乗務員の業務効率の向上が可能となります。

「HD-710」移動局設備写真

「HD-710」移動局設備
(左:操作表示部 中央上:デジタル無線機「CM-4157DG」 中央下:信号処理装置 右:スピーカーマイク)

 

デジタル無線方式配車システム「HD-710」の特長

  1. 新開発のデジタルタクシー無線機「CM-4157DG」
  2. 当社独自の情報収集方式「ポーリング・任意発呼併用方式」
  3. 配車業務を簡略化する独自の「自動ポップアップ画面」

1. 新開発のデジタルタクシー無線機「CM-4157DG」

新開発の「CM-4157DG」は、SCPC※2方式を採用したデジタルタクシー無線機で、従来のアナログ無線機に比べ、データ通信量が大幅に拡大しております(当社従来比約4倍)。

また、音声をデジタルデータに変換する音声コーデックにAMBE※3を採用しております。

  1. 高速データ通信が可能
    • 車両位置・動態データなどの各種データ伝送が可能
    • 車両位置精度の向上により最適車両配車の実現
  2. 音声通話中もデータ通信が可能
    • 時々刻々と変化する車両動態情報をリアルタイムに収集が可能
  3. デジタルによる高音質を実現

400MHz帯 SCPC方式デジタル無線機 CM-4157DG仕様

変調方式 π/4シフトQPSK※4 周波数帯 450~470MHz(6.25KHz/ch)
変調速度 9.6kbps 送信出力 2W Ave
アクセス方式 SCPC※2 音声符号化 AMBE※3
通信方式 単信方式 サイズ W150×H45×D140mm(突起部除く)

2. 当社独自の情報収集方式「ポーリング・任意発呼併用方式」

「ポーリング方式」は、配車センター側から移動局にポーリング信号を送信し、車両から随時戻ってくる信号で車両の情報を収集します。一方、「任意発呼方式」は車両側からセンターへ、動態情報が変化した際に情報を発信する方式で、リアルタイム情報を収集することが可能です。

当社は、ポーリング方式と任意発呼方式の各々の特長を活かし、「ポーリング・任意発呼併用方式」を採用しております。ポーリング方式で車両情報を収集しながら、任意発呼を併用することで、よりリアルタイムに変化する情報の収集が可能となります。

「ポーリング方式」

配車センターから移動局にポーリング信号を送信し、移動局から順番に、1台、1台情報を電波の衝突がなく発信される。

ポーリング方式のイメージ

「任意発呼方式」

移動局が距離移動、時間経過、動態変化、ボタン操作等をした際に、任意に情報を発信する。

(任意に情報発信するため電波の衝突(ぶつかり)があります)

規程距離移動した際に発信イメージ空車、実車、支払の流れのイメージ

当社独自の「ポーリング・任意発呼併用方式」

併用方式は個別方式を採用する方法と比べて、よりリアルタイムで、かつ正確に情報収集が可能となります。

  1. ポーリングで全車両の情報を常時収集します。
  2. 任意発呼併用で、動態に変化があった場合に情報発信します。

ポーリング・任意発呼併用方式説明図

3. 配車業務を簡略化する独自の「自動ポップアップ画面」

「HD-710」は、配車業務を簡略化する独自の「自動ポップアップ画面」を搭載しております。「自動ポップアップ画面」は配車室設備に指定回線別・端末別に、自動配車画面として利用できます。

利用者の登録電話番号から所在地と近隣にいる車両データ、「受付」「配車」「再検索」「問合せ」「予約」など頻繁に操作する内容が、配車端末に小枠の画面(機能画面)として出てきます。通常操作よりも簡単に車両指示が行えますので、利用者を電話口で待たせることなく、すばやく配車することができます。

また、CTI※1(顧客検索装置)により、利用者の迎車場所、利用状況などさまざまな情報をデータベース化することができます。その情報をもとに、利用者ごとにきめ細かいサービスの提供が可能となります。多様化する利用者のニーズに対応し、利用者のリピート率を高めます。

4. その他の特長

1) 車両到着連絡サービス(現着自動コール機能) オプション仕様

車両到着連絡サービスは、電話で利用者へ車両の到着を知らせる機能です。迎車場所に到着した乗務員が、操作表示部のボタン操作で到着信号を無線で配車室に送ります。コンピューターがその信号を判断し、自動音声合成により利用者に電話をかけます。

従来は、女性オペレーターや乗務員が電話連絡していましたが、本機能により、オペレーターの配車業務への集中が可能となり効率が改善されるとともに、利用者へのサービス向上が図られます。

2) 配車卓の統制管理機能(管理卓の採用) オプション仕様

管理卓は各配車端末の管理統制ができます。各配車端末がどのような配車を実施しているか確認ができ、配車オペレーターの管理ができます。配車オペレーターが受けた利用者からの問い合わせやトラブル処理を、管理卓のオペレーターが迅速に対応することで、配車卓オペレーターの配車業務の効率を高めます。

また、経験の浅いオペレーターが配車に苦慮している時、ボタン操作により、配車事案をその端末から、管理卓端末に転送させ、ベテランの管理卓オペレーターに交代することも可能です。

また、車両との音声交信、配車データ、利用者のデータ管理、セキュリティなどもこの管理卓で制御できます。

3) オーダーメイドソフト対応でシステム構築

当社システムは、オーダーメイドソフト対応で規模や用途に応じてシステム構築が可能です。また、納入後も、ハードの更新、ソフトのバージョンアップを提案してまいります。

 

※1
CTI…「Computer Telephony Integration」NTTナンバーディスプレイサービスと連動。
電話とコンピューターの統合で業務効率化、高度化するシステム。
※2
SCPC…「Single Channel Per Carrier」免許人(タクシー事業者)ごとに周波数を割り当てる通信方式。
※3
AMBE…「Advanced Multi Band Excitation」衛星通信で採用されている、より肉声に近い音声品質を確保できる方式。
※4
π/4QPSK…「Quadrature Phase Shift Keying」π/4シフト4位相変調方式。

 

発表資料中の「価格」・「仕様」など記載内容は、発表日現在のものです。
予告なしに変更されることがありますので、ご了承ください。

ページの先頭へ


1つ前のページに戻る